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北欧家具もいいけど国産家具も魅力的!世界に誇れる「日本6大家具産地」を解説します
生活が安定してきたので、IKEAのような「エントリー家具」を卒業し、本物志向の良い家具を持ちたい。
「いずれ家具にはこだわりたい」と思っている方には、匠のワザが光る国産家具がおすすめ。伝統的で高度な技法が注ぎ込まれた家具たちは、家具の本場「北欧」とも引けを取らない素晴らしいものばかり。
そこで今回は、日本6大家具産地と代表的なメーカーについてまとめてみました。
一生に何度とない、大きな買い物だから失敗できない。だからこそ、お気に入りのメーカーを見つけ、足を運び、実際に触れてほしいなと思います。
家具メーカー選びの参考に、ぜひ読んでみてくださいね。
目次
家具の国産ブランド①静岡家具
静岡家具の歴史
静岡家具の発祥は江戸時代にまで遡ります。徳川家光の時代、静岡浅間神社の造営のために全国から職人たちが招集され、建築物とともに家具も作られるようになりました。
静岡の気候が漆工に適していたために多くの職人が定住し、漆器づくりに励むようになったそうです。そこで培われた技術はやがて明治時代に入ると、当時需要の多かった鏡台づくりに活用されるようになります。
大正時代からは製造問屋を中心にした分業化が進み、木地屋、漆師屋、蒔絵師などに別れていきました。さらに昭和の初期には、丸ノコや帯ノコ、プレナーなどの大型機械の登場で工場生産の効率化も図られます。
1947年、進駐軍用家具類の発注を受け、静岡の家具産業はますます発展。現在県内には、静岡市内をはじめ、藤枝市や大井川町の家具団地、島田市、焼津市などの多くの地域に家具の生産拠点があるそうです。
静岡家具の特徴
静岡家具は京風の雅やかさと、江戸風のシンプルで粋な雰囲気を融合をさせた独自性のあるデザインが特徴的。鏡台をはじめ、タンスやテーブル、チェア、和家具、仏壇などの職人技が光る家具が数多く作られています。
有名な静岡家具メーカー
家具の国産ブランド②飛騨家具
飛騨家具の歴史
通称「飛騨の匠」。これは、古来より伝わる飛騨の優れた建築技術と、それを受け継ぐ職人のことを示しているようです。約1300年ほど前から存在している総称だそうで、とても長い歴史が感じられますよね。
正式に家具づくりがスタートしたのは、1920年(大正9年)の頃。大阪で西洋の曲げ木技術を学んだ2人の旅人が、飛騨の匠達のこころをくすぐります。
ブナを代表とする豊富な森林資源と匠の文化が融合。ついに家具メーカーを創業する運びとなりました。
その後、飛騨では柏木工やイバタインテリア、日進木工といった現在まで続く代表的メーカーが次々と誕生。多くのメーカーが集まり、全国の木工家が憧れる地となっています。
飛騨家具の特徴
なんといっても「曲げ木」という飛騨特有の技術が特徴的。加工の幅が広いためにデザイン性に優れたものが多く、欧米の人々からも注目を集めています。
飛騨地方の豊かな資源を生かした、天然木の温もりが感じられる美しいものばかりです。
有名な飛騨家具メーカー
家具の国産ブランド③徳島家具
徳島家具の歴史
1585年の阿波国(現徳島市)にて、城の建設の際に福島に水軍基地を設置。そこには200人ほどの船大工が住んでいました。
明治時代に突入して廃藩置県が起こると、船大工達は仕事を失います。彼らは生活のために日用品・雑貨などを作り始めるようになりました。
それ以降、タンスや針箱、桐下駄などから鏡台、仏壇、木車などの農機具をつくる職人へと展開。船大工としてのノウハウが木工製造へと引き継がれ、今に至ります。
大正時代には唐木仏壇もつくられるようになり、今では全国一の生産高を誇っています。
徳島家具の特徴
高級志向な徳島家具は、硬くて耐久性のある木材を使うことが多いため、壊れにくく、重厚感があるものが多め。
また、丸太を0.2mm程度の薄さにスライスした木を貼りつけて模様を描く「杢張り」、厚さ5mm〜7mm程度ある無垢材を張り合わせる「練り」などの伝統的かつ高度な技術が取り入れられています。
和風テイストな仏壇や鏡台などをつくる際には、徳島家具を検討してみても良いかもしれませんね。
有名な徳島家具メーカー
家具の国産ブランド④大川家具
大川家具の歴史
福岡県大川氏が家具の町として認知されるようになった要因は、大川独特の「衣装タンス」にあるようです。非常に大型で、材質は杉・桐・欅、素木・透漆・黒塗などで仕上げられているのが特徴です。
また、金具には鉄・銅・真鍮などを使い、薄いタガネによる細かな透彫りを施すという手法も大川特有のものでした。
大川市では、大正期の木工需要の増大を見越し、最先端の機械を積極的に導入していたそう。組合では各地で開催される博覧会や品評会に代表的な作品を出品。積極的な周知と技術の導入で、販路を拡大していきました。
その結果、大川家具は現在「家具の生産高」で一位の地位を確立し、福岡県の産業を支えています。
大川家具の特徴
大川家具はやはり、箱物(タンス類)、棚物(食器棚等)に箔が付いています。
高価格製品から普及製品まで、幅広く取り扱っているメーカーが多く、住宅関連産業も含めたトータルインテリア産業へと発展しています。
有名な大川家具メーカー
家具の国産ブランド⑤府中家具
府中家具の歴史
広島県の府中家具は、大川家具と同様、衣装タンスにルーツを持っているようです。江戸時代1661年〜大阪で始まったタンスづくりは、見物人である指物師によって持ち帰られ、次第に府中に広まりました。
広島県府中市は、木材を扱う地として発展する条件が揃っていたそう。当時、備後府中は中国山地で伐採された木材を芦田川に流して運んでいました。また、近くに石州街道があることで物流の利便性が高く、木材の入手も容易だったのです。
それともう一つの条件は気候です。
当時は人工乾燥装置がない時代。スムーズに製造を進めるためには、木材の乾燥や加工に適した気候条件が欠かせません。
府中が在する瀬戸内の「温暖な気候と適度な雨量」は、まさに自然乾燥(天然乾燥)向けのものだったのです。
府中家具の特徴
長い年月をかけて行う天然乾燥が今でも続いており、材木の品質が高く安定しています。無理に負担をかけずにじっくりと加工し、反りや狂いを防止しているんだとか。
原木の材質から、傷を防ぐことに注力した仕上げまで、「とにかく丁寧なのが府中家具」ともいうことができるでしょう。
家具でいうと、特に「ブライダル家具セット」が有名。中・高級品志向であるため、大切なイベント・機会に取り入れたいものばかりです。
有名な府中家具メーカー
家具の国産ブランド⑥旭川家具
旭川家具の歴史
北海道旭川の家具産業は、明治中期ごろから始まりました。陸軍の師団が置かれ、鉄道が開通。客車整備のために木工場が設立され、本州から建築職人が多く移住しました。それから机や椅子などの製造がはじまったと言われています。
1949年(昭和24年)には当時の商工省から「重要木工集団地」の指定をうけ、家具の町としての存在感を増していきます。
戦争が終了して昭和30年代になると、本州からバイヤーを招いて販路拡大を図るように。高い技術力が評価されるようになりました。
のちに旭川市が実施したドイツへの海外研修制度が成果を上げ、グローバルな視点を持った人材が家具業界を先導、旭川家具がブランドとして確立されていきます。
寒さの厳しい地域がもたらす人々の結束力と助け合い精神が根底にあり、産地が一丸となって職人を育てる環境や、企業同士のオープンな交流が盛んであることも、発展の一因となっているようです。
旭川家具の特徴
現在、北海道で製造されている家具の約6割は旭川産といわれ、100以上の事業所があります。北の大地の下で育った豊富な木材資源、高度な加工技術、そして国際的に認められている洗練されたデザインに定評があります。
フィンランドやアイスランドの気候と似ている旭川。北欧家具好きにはおすすめの家具が多いと思います。
有名な旭川家具メーカー
まとめ
この記事では、日本6大家具産地と代表的なメーカーについて紹介しました。
日本6大家具産地のすべてに共通していることがあります。それは、「最高品質の木を、日本最高の技術をもって加工する」ということ。どの地方のどのメーカーも素晴らしい家具を丹精こめて作られていることは間違いありません。
ただ、メーカーが1000社あれば家具の作り方も1000通り。木の材質や加工方法、作り手の思いなどは千差万別です。この記事を参考に、自分の好みに合った家具メーカーを見つけてみてくださいね。